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Allgood Story 福内櫻子

アンバサダー(Allgood Collective) やローカルリーダーをお招きし、
「環境責任、クリエイティブ表現、個人の健康とウェルネス」を応援する
トークイベント Allgood Storyを開いています。

今回は、Sakura Dashers(Allbirdsのランニングコミュニティ)のコーチである福内櫻子さんをお招きました。

駅伝出場・関東大学選手権大会5000mで3連覇の実績を持っている彼女ですが、
「スポーツ人生の中で、成功した一部だ」と彼女は言います。
どうやって彼女は自分を成功へ導くことができたのか。

それでは、櫻子さんのAllgood Storyを覗いてみましょう。
普段のランクラブでは見れない彼女の姿にグッときますよ。

実は体を動かすのがそこまで好きではなかった幼少期

私たち双子はスポーツをしたら得意ではあったんですけど、そんなに好きではなかったんです。何をしていたかと言うと、家に引きこもって絵を描いていました。できれば鬼ごっことかしたくなかった。

しかし、走るのは得意でした。リレーの選手にも選ばれたり。
小学校のマラソン大会では、私が6年間1位で、双子の妹が2位でした。

『妹が一位になる時ないの〜?』ってよく聞かれるんですけど、それは絶対なかったです(笑)
私は本当に負けず嫌いで、逆に、妹は勝つことにあまり興味がなかった。
双子でもここまで性格が違うんだなと思いました。

ここにあるのは、陸上生活のごく一部の写真です

陸上を始めたのは中学生でした。
左上の写真が高校生の時で、他は大学生の時の写真です。4×400mmリレーで優勝した時の写真。
右下の写真は、ユニバーシアード世界大会に出場した時の写真です。

私がここに載せているのは、陸上生活のごく一部の写真です。
私がここに立つまでに、どうやって歩んできたのか、どうやったらここに立つことができたのか自分なりに考えてみました。

そしたら、陸上だけに限らずどんな歩みにも大切になる、「ある3つのこと」がみえてきました。
まとめてみたので、皆さんのヒントになったら嬉しいなと思います。

1つ目は、夢を持って声に出すこと

これはユニバーシアードで団体優勝した時の写真です。
この「夢を持って声にだすこと」というフレーズはよく聞いたことあると思います。

ユニバーシアードに出場したのは大学4年生の時で、1年生の時には世界に行くことも、日本で活躍することすらできない選手でした。なんなら、その時一緒に入った同期より一番活躍していなかった。タイムも遅かったし。

でも「私は世界大会に出場します」と、大学関係者が集まる集会で宣言しちゃったんです。

なんてこと言ってしまったんだと思ったけれど、宣言したことによって、周りの私を見る目がガラッと変わりました。
「この子は世界大会を目指すような子なんだ」と見られたんですよね。

そう見られる事によって、自分自身も私は世界大会に行く人なのかもしれない、と思うようになったんですよ。
あの時の発言がなかったら今の自分はいなかったなと思います。

伝えることによって周りの大人が助けてくれる。だから、「夢を声に出す事」は目標への一番の近道だなと思います。

2つ目、自分と向き合い分析をしてそれを明確にすること

高校生の時に何となく出たインターハイで800mを走った時に、200mでドテーッてこけてしまい、すごくショックで悔しかった経験をしました。

しかし、その時に自分がどのようにこの舞台にたったのかわからなかった、全国大会までのみちのりが空っぽだったんです。つまり、目標までの過程がからっぽでした。

本当に悔しかったので、初心に返って自分と向き合い、自分には今何が必要なのか。そして目標に対してどうやったらその目標を迎えるのか、と分析して明確にするようにしきました。

明確にすることって大事だけど、じゃあどうやったら明確化できるのか?

これは高校生の時の日誌です。この日誌は高校大学の7年間毎日書いていました。休みの日も。

これ(日誌の写真)びっしり書いてるでしょ?これは試合ではなくて、練習の日です。

書いていたのは、今日「できたこと・できなかったこと」ではなくて、「自分がどう取り組んで・どう感じたのか」、そして「今私には何が必要なのか」と言うのを書いて明確にしていました。

書いている時間に自分と向き合うんですよね。明確にすることによって行動に移るようになります。
なので迷ったり立ち止まったら書いてみてください。

行動できるようになるから。

最後3つ目。応援してくれる人がたった一人でも、自分の力を信じ抜く

私は、「一人」でもというのがポイントだと思っています。

「世界が全員敵でも自分の力を信じれ」っていうワードあるでしょ?
でもそんなことなくない? どんなに成功している人でも、最初の一歩は支えてくれた人がいると思うんだ。

「櫻子さんはなんでこんなに頑張れたんですか?」ってよく質問されるんですよ。
そこでいつも答えるのが、「支えてくれた人の笑顔がどうしても見たいから私は頑張りました。」と言います。

そして、たった一人でも味方でいてくれる人がいれば自分の力を信じていいと思うんですよ。

最後は自分の力を信じ抜くことが大事だから、応援してくれる人が1人でもいる限り、精一杯信じていこうねって思っています。

この3つのことは、夢の大小関係なく誰でも実践できるシンプルなこと。だから、私自身も忘れずに大切にしたいなと思いますね。

ケニアの選手が教えてくれたアフリカの現状

彼はエリウド・キプチョゲ選手。リオオリンピック・北京オリンピックの金メダリストです。

彼のフルマラソンの記録1時間59分40秒は、2分50秒で1kmを42回走っていることになります。ちなみに2分50秒は、私の現役時代の1kmの自己ベスト。なので私の自己ベストを42回走っていることになります。人類で初めて2時間切りを達成した瞬間は、歴史的なものでした。

彼の素晴らしいところは走りだけではないんです。「走る哲学者」とも言われる程素晴らしい心の持ち主なんですね。

ある日いつも通り寝ていたら、夜中に目を覚ましました。その時思ったのが、「もし全ての森林が枯れてしまったら、僕たちはどこを走ればいいんだろうか?」

そこでキプチョゲ選手は、昨年こんな財団を立ち上げます。
キプチョゲの教育と環境の財団です。

この財団は、ケニアの「教育と環境」のために立ち上げたものでした。

ランナーとして地球環境も守っていきたい

ケニアに毎年来るはずの雨季が来なくなって2年。
今年の雨季が来ないと干ばつによってケニアの人々と動物は大変なことになると言われています。

ケニアには環境問題に限らず目に見えない問題が隠されています。

アフリカ最大のスラム街があるケニアでは、子供の教育機会の損失、そして性的差別やジェンダーによる問題が深刻化しているそうです。向き合わないといけない問題は、私たちの知らない所で起きています。

ケニアでは、スポーツを自由に楽しむことができるのは本当にごく一部なんです。

アフリカの選手が当たり前に世界陸上や箱根駅伝に出場しているを私は見てきましたが、彼らがどれだけ国や家庭を背負ってスポーツに取り組んでいるのか。そんな状況の中、夢を追い続けている姿に感動しました。

私には当たり前に与えられてきたグランドや空気とかなくなるかもしれない。
教育と環境が一つになって初めてスポーツが楽しめるんだと気付かされました。

私も今ある恵まれたこの環境をランナーとして守っていかないといけないし、キプチョゲ選手みたいに、どんな人でも、どんな状況でも、夢を追おうとする人の背中を押してあげれるような存在でありたいなと思います。